《ドリル・スコール》

ドリル・スコール C 火文明 (1)
呪文
カードを1枚、自分のマナゾーンから自分の墓地に置く。その後、相手はカードを1枚、自分自身のマナゾーンから選び、持ち主の墓地に置く。
※殿堂入り

DM-16で登場した呪文

お互いのマナカード墓地送りする、変則的なランデス呪文。
唱えたらこのカードと自分のマナのカードの2枚が墓地に送られるが、相手のカードは1枚しか墓地送りにならないため、純粋なアドバンテージ面では自分が損している。

しかし、コスト1でランデスできるカードは貴重であり、他のカードとコンボさせることで優位を築ける。
主に【パロロスコール】【ジョバンニスコール】などのループ(広義)デッキに採用され、軽さと任意のカードを墓地肥やしできる柔軟性が特徴だった。

また、テンポアドバンテージを消費せずに手札を減らすこともできる。後述のように殿堂入り直前は手札が少ないほど有利になる能力と組み合わせて使われていた。

1ターン稼ぐ過程でドローステップが回ってくるため、山札のカードを1枚確認できることも基本的な性質の1つであり、序盤の動きを特定のカードに依存しているデッキにおいて少なからず恩恵があった。

手札消費の激しさからどんなデッキにも入るカードではないが、それを補えるギミックを備えたアーキタイプが複数開発され、環境で活躍した。

総じて非常にポテンシャルが高く、「軽さは強さ」であることを如実に示している。1マナの呪文を踏み倒したり回収したりする手段には無数のバリエーションがあるため、今後も墓地肥やしや手札減らし目的で定期的に注目されると思われる。

2019年3月1日付で殿堂入り

環境において

転生編環境では【赤黒速攻】《爆走戦鬼レッド・ライダーズ》と組み合わせてランデスするコンボがよく使われた。マナに貯めた《爆走戦鬼レッド・ライダーズ》を落とすことで、ランデスの条件を速やかに整えられた。また、【グールジェネレイド】などでもキーカード墓地に落としつつランデスするために使われていた。

戦国編環境では軽さを活かし【フェルナンドVII世】に採用され、墓地肥やしによって《魔光帝フェルナンドVII世》コスト軽減に貢献した。【グレイテスト・シーザー】でもコスト7以下の踏み倒しの候補に挙がることがあった。

革命ファイナル環境では【ジョバンニスコール】地雷デッキとして躍進。《爆走戦鬼レッド・ライダーズ》とのコンボも組み込まれていた。

その後《天雷王機ジョバンニX世》プレミアム殿堂になり、強力な相方を失うが、直後に《愛されし者 イルカイル》のギミックを用いた【イルカロック】が開発され、同じくランデスによるロック戦略を主軸に据えるこのデッキにて再び活躍の機会を得た。

DMRP-06期に【“轟轟轟”ブランド】が成立すると、そちらのキーカードとして環境でも再び見かけるようになった。

このデッキマナをほとんど必要としないため相性は抜群に良く、1ターン目から《“轟轟轟”ブランド》を着地させれば、後はこれで相手のマナを縛るだけで早ければ2ターン目、順当に行けば3ターン目にはダイレクトアタックまで持ち込めた。
後攻の場合初手にあれば1ターン目に唱えることで実質先攻と同じ初手枚数となり、G・G・G発動において有利になった。また、後攻最速で唱えることで、相手が自然な流れでマナチャージした、初手の中で最優秀なマナ基盤を撃ち抜くことができた。

2019年3月1日に殿堂入りした。【“轟轟轟”ブランド】では速攻のついでにこれで事実上の追加ターンを得ていたため、環境に与える影響が大きすぎると判断されたのだろうか。
1枚だけでは序盤に引ける確率は大幅に下がるので、このカードによる疑似ロック戦術は完全に崩壊した。

殿堂入り後はしばらく環境で見かけなかったが、【我我我ブランド】が成立するとアドバンスの一部の型に採用されるようになった。【5色コントロール】との対面で後攻1ターン目に唱え、上手くマナ基盤を撃ち抜ければ単なる時間稼ぎに留まらない致命傷を負わせることもできた。

全国大会2019』日本一決定戦では、予選(アドバンス)・本戦(オリジナル)共に【我我我ブランド】メタゲームの一角にあったものの、後者では45人中2人使用にとどまり、前者に至っては使用者0人だった。
流行中の退化系統や【5色マッド・デッド・ウッド】に唱えると利敵行為になるのが原因。また、《アルカディアス・モモキング》対策で【5色コントロール】に入っていることが多かった《灰燼と天門の儀式》にも弱い。この大会だけでなく不採用が全体的なトレンドだった。

DMGP2024-1st』終了後には、これを妨害系スーパーサブ墓地シンパシー元に据えた【白青赤ゴスペル】がオリジナルで偶に見られるようになった。自分のマナゾーンから呪文を自己ランデスすれば、1回で合計2枚墓地シンパシー元を稼げた。《水晶の王 ゴスペル》で回収しつつ、《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》での追加ターン中に再詠唱することもあった。

【赤単ミリオンブレイブ・カイザー】が成立すると、往年の【赤単“轟轟轟”ブランド】同様に採用されるようになった。

DM25-EX2期からアドバンスで【我我我ブランド】が再び入賞するようになると、そちらにスーパーサブとして投入されるようになった。この頃の【我我我ブランド】は2ターン目にリーサルやそれに近い打点を比較的容易に組めたため、その上で2ターン目にこれを唱えれば、よほどのカウンターデッキが相手でもない限り2ターンキルが狙えた。

その他

  • 殿堂入り以前はこのカードの対策で1ターン目にあえていらないカードをマナチャージしておき、重要なマナ基盤は2ターン目以降に回すテクニックも存在した。
    • プレイングとしては殿堂入りによって廃れたと言って良いだろう。色事故が致命傷になる最序盤に殿堂カードを引かれる確率はごく低い上、そもそもこれを採用しない型の【我我我ブランド】もある。
    • 一方、多くのプレイヤーがケアを怠ることでかえって奇襲性能は上がった。殿堂入り後のこのカードは、再現性は低いがその分引いた際の威力が高い、上振れ要素の側面がある。

関連カード

フレーバーテキスト

  • DM-16
    「こりゃたまらん」

収録セット

参考